ーフ・フロアー株式会社

ハチよけの原理

ハチの営巣と面戸について


近年都市部や住宅地などで、ハチの営巣が多くみられるようになり、社会問題化しています。各地の市町村でも積極的にハチと営巣に関する情報を提供し、さらに駆除を行ってもいます。

蜂の巣が自宅のどこかにできてしまったら、なるべく早めに駆除したほうが良いのは、言うまでもありません。できれば、ハチに営巣されない方法があれば、それに越したことはありません。


新らくらく軒面戸和形1号は、ハチの営巣防止にどのような効果があるのでしょうか。それをお知らせするために、ハチの営巣についての基礎的な知識から解説をしてゆきましょう。


まず、とても大切な事であり、また結論でもありますが、基本的にハチは瓦の下に営巣はしません。


一つの例ですが、静岡市のホームページには、「スズメバチはこんな所に巣を作ります」のタイトルで右のような絵が掲載されています。


これは静岡市だけではなく、多くの市町村のホームページから同様な情報が得られます。


ハチの種族で最も攻撃性が高く人間にとって危険なのがスズメバチです。


日本には3属17種24亜種のスズメバチが生息していますが、その多くが人家の周りにも営巣する事が知られています。スズメバチの巣は種によって異なりますが、多くの種に共通する特徴は、他の種の蜂の巣よりも比較的大型で、軒下や天井裏に作られるものは、ボールのような形をしている点でしょう。


図Aは、コガタスズメバチの巣です。スズメバチの中では小型ですが、それでも巣の直径が10cmから20cmくらいになります。都市部で最も多く見かけるのはキイロスズメバチです。こちらの営巣規模は大きく、30cm以上にもなります。雨戸の戸袋の中や外壁と内壁の間に営巣する事もあります。この場合はボールのような形にはならず、平面で大きく広がって行きます。


壁の間にも営巣するスズメバチですから、瓦と野地の間に営巣する事もあるのでしょうか。ハチの巣駆除業者のホームページには、瓦の下にスズメバチの巣があるような記事も見かけます。しかし、実際にはそのような巣は存在しません。軒先の瓦の下から蜂が侵入している写真や映像がありますが、巣があるのは瓦の下ではありません。下葺き材に穴が開き、野地にも隙間が開いているので、野地の下の空間や屋根裏に侵入して、そこで巣を作っているのです。瓦の軒先の入り口が問題なのではなく、屋根の改修と瓦の葺き替えが必要な状態です。もし、スズメバチが軒先から出入りしているのを見つけたら、すぐに行政か駆除業者に連絡をして巣を撤去すると同時に、家屋の修理も行ってください。


ではなぜ、スズメバチは瓦の下に営巣しないのでしょうか。

いくつかの理由が考えられますが、最も重要なのは、巣の形です。ハチの巣とは、幼虫のために作られる育房の集まりです。六角形をした部屋と言えば、分かるでしょうか。スズメバチはこの育房を平面的に作って行きます。巣が球形になるのは、平面的に作られた育房が数段に重なり、それらをおおうドーム型の外被が作られるからです。


図Bは、土中に作られたオオスズメバチの巣ですが、キイロスズメバチの巣の外被の中も同じようなイメージです。壁間に営巣するときは、育房を水平にし、外被も作らず、平面で広げてゆきます。



図Cは、ミツバチの巣ですが、同じようなイメージです。壁が外被の役目をしています。


ところが、瓦の下では瓦が波うっているので、育房を平面的に広げて作ることができません。スズメバチの巣の材料も関係があります。耐水性能が高くありません。瓦の重ね部から雨も入りますので、外被のない育房だけの巣にはとても都合が悪い環境なのです。このような理由で、スズメバチは、瓦の下には営巣しないのです。









さて次に、実際には軒先付近の瓦の下に蜂のハチができることがあります。


これはアシナガバチの巣です。写真1

日本に生息するアシナガバチは3属11種18亜種が確認されています。スズメバチと比較すると攻撃性は低めですが、巣を刺激すると数mの距離まで追いかけて刺しに来る種もあります。これらの中で、家屋の付近に営巣するのは8亜種だと考えられています。さらに都市部や住宅地などで最も多く見られるのはキアシナガバチです。次に多いのはセグロアシナガバチでしょう。これらは分布密度も高く、融通性が高く様々な場所に営巣します。アシナガバチは横向きにも営巣します。





図Dが、キアシナガバチの巣です。この図がそのまま横向きに作られることもあります。スズメバチの巣のような外被はありません。これは巣の材料が異なるからで、比較的、水への耐性もあります。


直径は成熟期で10cmから20cmにもなります。人家の営巣場所としては基本的に軒下です。ある程度の明るさがあり、風通しの良い場所を好みます。


ですから、瓦の下の軒先から奥の方には営巣しません。瓦の下に営巣するのは、軒先のすぐ近くで、巣を拡張できるスペースのある場所です。写真2/写真3



新らくらく軒面戸和形1号を軒先に施工しますと、軒瓦の先端付近と面戸で形成される隙間があり、ハチの侵入が可能です。写真4


しかし、軒瓦下部と面戸との空間は狭く、キアシナガバチやセグロアシナガバチの営巣には不十分なスペースとなります。


また、軒瓦の下の軒先の瓦座に営巣を防止するのも、彼らの巣の形状と必要なスペースに関係があります。

キアシナガバチやセグロアシナガバチの巣は、ほぼ同心円状に円形または楕円形で拡張されてゆきます。新らくらく軒面戸和形1号を施工しますと、瓦の軒先部分には、瓦の山型で形成されていた空間がなくなります。そのために横向きで営巣を始めても、巣を拡張することができません。


次に面戸の先端あたりに営巣することができるでしょうか。軒瓦には万十と垂れがあるので、やはり巣を拡張する場合に邪魔になります。


時々アシナガバチの小さな巣が放棄されたものを見かけますが、これらは何らかの原因で営巣が失敗したものです。アシナガバチの女王は、まず1匹で小さな巣をつくります。図E


このいくつかの育房で働きバチを育てます。働きバチが育つと女王は産卵に専念し、働きバチが巣の拡張を行います。その過程で新女王も生まれてきます。ですから、拡張されなかった巣は、次の世代を残せなかった失敗作業だったわけです。おそらく途中で営巣場所を移動したか、天敵に捕食されたのでしょう。



アシナガバチでも、女王の作った巣から同心円的に拡張しない種もあります。


図Fは、キボシアシナガバチの巣です。この他にムモンアシナガバチ、コアシナガバチ、ヒメホソアシナガバチなども同様です。もしかするとこれらの種は、面戸があっても無くても、気に入れば軒先に営巣するかもしれません。都市部での生息がかなり稀で、面戸が設置された場所での観察事例がないので、はっきりとは分かりません。しかしこれらのアシナガバチはキアシナガバチやセグロアシナガバチよりは攻撃性が低いので、駆除業者が来るまで巣に近寄らなければ、大丈夫です。または、刺激しないで冬まで待てば、自然といなくなります。それから巣を撤去しても良いのではないでしょうか。


時々、庭木などにミツバチの大きな群れを見かけることがあります。これはミツバチの分蜂(ぶんぽう)と呼ばれる過程のもので、新しい巣を求めて旅をしている最中です。通常は数時間から数日の間に別の場所へ移動するので、近寄らずそっとしておいてください。しかし、稀に家屋の屋根裏や壁間に営巣する事があります。図C


瓦の下に営巣する事はありませんので、瓦や面戸とは無関係です。攻撃性はキボシアシナガバチと同じくらいですが、個体数が多いので、専門業者に依頼して駆除してください。


静岡市のホームページより

図A コガタスズメバチの巣

図B 土中に作られたオオスズメバチの巣

図C ミツバチの巣

図D キアシナガバチの巣


写真2

写真3

写真4

図F キボシアシナガバチの巣

図C ミツバチの巣

図E アシナガバチの女王の巣作り

写真1

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