ーフ・フロアー株式会社

ホーム瓦・面戸の薦め

屋根には、家の外観を左右するだけでなく、家を守る大切な役目があります。

これから家を新築・改築される皆様、「瓦屋根」と「瓦用鳥よけ」をぜひ御検討ください。



1 瓦がお薦め


2 鳥よけも忘れずに!





1 瓦がお薦め


地震に強い三十三間堂は、瓦屋根


 見どころいっぱいの京都。その中でも特に有名な観光場所の一つに、三十三間堂がありますね。創建は平安期の久寿2年(1155)です。その80年後に焼失しましたが、すぐに再建され今日に至ります。現地を訪れると、その名前の通りとても長い建築物で圧巻です。さらに、京都タワーなどの高い所から眺めると、現代のビルと大きさが比較でき、三十三間堂の長さにとても驚きます。このように長い建物は、構造的に地震にはとても弱いはずです。しかしながら、当時の工人たちの知恵と発想と技術により、免震工法が施され、長い年月が流れても地震による被害はありません。


三十三間堂の免震法については、ホームページに記載がありますから、参照してください。

蓮華王院・三十三間堂「三十三間堂の建築」(sanjusangendo.jp)


 さて、ここで重要な点は、これほど地震対策を施した三十三間堂ですが、屋根は重たい瓦葺きです。


 現代の日本人の多くは、大きな地震を経験するたびに、屋根は軽い方が家屋は倒壊しないだろうとの思いを抱きます。金属屋根等の業者も、「耐震のために軽い屋根が良い」と宣伝をしています。しかし、三十三間堂の建築に携わった工人たちは、屋根を軽くしても耐震性がほとんど向上しないことを知っていたと考えられます。そして、瓦の特性である、断熱性や通気性がいかに重要なのかもちゃんと分かっていたのでしょう。彼らは、屋根を瓦よりも軽い銅板や檜皮にはしませんでした。


 全国陶器瓦工業組合連合会では、耐震シミュレーションソフトを使って、屋根材の重さで地震による被害に差異が生じるかを検証しました。詳しくは下記にあります。

瓦屋根の耐震性を知る/安心な屋根材/瓦Web・愛知県陶器瓦興業組合(kawara.gr.jp)


結果は、三十三間堂の工人たちの免震法と一致します。それは、建築物の土台の免震や構造を強化することで耐震性が向上しますが、屋根を軽くしても耐震性はほとんど変わらないのです。平安から鎌倉時代の匠たちの深い洞察力には、とても驚愕しますね。



夏涼しくて、冬暖かい


 地球の温暖化現象が毎年確実に進んでいます。数十年前には、「日本では気温が体温よりも上がらない」と言われていましたが、それは遠い過去のお話になってしまいました。地球の平均気温はどんどん上がり、日本では猛暑日も増加して夏がとても長くなりました。ところが冬が暖かくなったわけではありません。冬に強い寒気がやって来て、記録的な大雪になることもあります。実は、地球の温暖化とは、単純に気温が徐々に上がるわけではないのです。簡単に言えば、気候が極端に変化するようになってゆくので、春と秋が短くなり、より暑い夏と寒い冬がやってくるのです。このような環境の変化を考えると、住環境をなるべく快適にするためには、断熱効果の高い建材を選びたいものです。


 屋根材に関してもっとも断熱効果の高いものは、瓦です。これについては、多くの実験やシミュレーションによって実証されています。下記が、とても分かりやすい実験ですので参照してください。


住まいづくりサポーター屋根係の瓦ブログ

「屋根材の違いで屋根裏の温度が変わるんです。」


 この実験では、三つの屋根材を比較しています。瓦と、金属屋根材と、化粧スレートと呼ばれる屋根材です。化粧スレートと言うのは、薄く平べったい板状の屋根材で、洋風の屋根になります。


 三つの屋根材の上に投光器で光をあてて熱源にします。光のあたっている表面は、どの屋根材も同じように80度を超えます。しかし、屋根材の裏側の温度に差異が生じます。金属屋根材と化粧スレートの裏側は、両方とも70度代です。長時間では細菌も死んでしまう温度です。しかし瓦の裏側は45度しかありません。なんとか人間が生きられる温度です。私がエジプト旅行に行った時に最高気温が49.7度でしたが、現地の人たちは普通に暮らしていました。


 この実験結果の理由の一つは、瓦そのものの断熱性能が高い事です。二つ目の理由は、瓦の施工上、その下には空気層が形成されます。この空気層の断熱効果も加わるからです。


 地球温暖化を防ぐには、私たち一人一人の努力が必要です。しかし、世界の温暖化の流れを急に止めることはできません。せめて、このような気候変動の激しい時代でも、出来るだけ夏は涼しく冬は暖かい家屋に住みたいものです。そのためには、壁や天井の断熱材をより良いものとし、屋根材もより断熱効果の高いものを使いたいですね。



ジメジメ日本の屋根材は!?


 断熱効果の高い住宅が増えています。壁や床、天井に断熱材を使用し、また、構造物を緊密に連結する事で、断熱効果が高くなります。しかし、その反面、住空間の換気の問題が発生します。そのために、近年では24時間換気の設備を持つ新築住宅が主流となっています。この設備は住居部分を換気します。


住居部分と違って、天井裏など屋根部は住人から見えないため、問題が発生してもなかなか気が付きません。冬は暖房による温度差で結露が発生します。台風など大雨が降れば、屋根材の裏側にも水が侵入します。さらに日本特有の気候に梅雨があります。年間を通しても、日本は欧米諸国に比べて湿度が高めの気候です。


天井裏の多湿状態を放置すると、材木が腐食して住宅の耐久性が低下したり、カビが繁殖して健康にも影響が出てしまいます。そこで、屋根にも換気性能が必要とされるのです。


 屋根部分の換気性能が最も高いのは、瓦です。

瓦の下には空気層が形成されます。この空気層は断熱効果があると同時に、換気にも役立ちます。また、瓦はそれぞれの重ね部分が密着していないので、空気が流通し換気性能が高いのです。


 家屋が湿りやすい日本の気候風土だからこそ、瓦屋根は長い伝統と共に、実用的に使われ続けているのです。



コスパ一番


 新築の一軒家を建てる時、出来るだけ自分の好みに合うデザインで、良い材料と工法で、建てたいものですが、同時に費用もしっかりと考慮したいですね。


 いろいろある屋根材の中で、最も建築費用が高いのが、瓦です。しかしながら、住宅は一生もの。それどころか、メンテナンスをちゃんと行えば、2世代3世代にわたってさえも使い続けられます。このように長い視点から考えると、もっともコストパフォーマンスが良いのが瓦です。それは、瓦の耐久性能がとても長いからです。


 スレートは20年、ガルバリウム鋼板(普及品)は25年、石粒付鋼板・ジンカリウム鋼板は、50年の耐用年数があるようです。しかし、例外となるケースがあります。それは、施工時の加工による傷、強風などでの飛来物による破損、そして潮風による塩害です。これらによって耐用年数は極端に短くなります。耐用年数が経過すれば、屋根をもう一度新しい屋根材で施工しなおさなければなりません。


 陶器瓦の各メーカーは、耐用年数を60年と設定しています。しかし、近年は陶器瓦の製造技術の向上により、強い衝撃を与えない限り半永久的な寿命があると考えられています。傷が付きにくく、塩害にも強い瓦屋根です。


 温暖化の影響により、日本に来る台風が大型化しています。記録的と言われる強風が頻繁になっています。強風による屋根の被害は、瓦屋根でも発生します。軽い屋根材では、屋根ごと飛ばされるケースが多発しています。瓦屋根の場合は、瓦が飛んでしまうケースが多いです。


ところが、「ガイドライン」と呼ばれる瓦の施工方法があります。この工法で施工された瓦屋根は、耐震性能が向上すると共に、今のところ台風による被害が発生していないのです。ガイドラインによる施工は手間がかかるので、あまり普及していませんでした。しかし大きな変化が起きました。法律によって義務化されたのです。これによって、今後の新築住宅においては、台風による被害がほとんど発生しない唯一の屋根材となります。


瓦は、屋根材の中では、一番耐用年数が長く、現在これを越せる材料はありません。つまり、瓦はメンテナンス費用が他の屋根材よりも安く済むので、住宅の長い寿命を考慮すれば、最も安くなるコストパフォーマンスに優れた屋根材なのです。




2 鳥よけも忘れずに!


 瓦には波状の凹凸があり、その空間が断熱性能と換気性能を高めることは、すでに述べました。また、その波状の意匠が美しいデザインであり、重厚感を持ち、躍動感さえ表現します。近代の瓦は日本の伝統的デザインだけではなく、欧米風のデザインも多く作られるようになりました。


 さて、この瓦の凹凸には、唯一の弱点があります。いわゆる鳥害です。瓦の凹凸が雀やコウモリなどの営巣場所として使われることがあるのです。


 この鳥害から家屋を守るために開発されたのが、当社の面戸です。また、鳥害を防ぐということは、鳥たちを守り、自然を守る事でもあります。皆様が被害を受ける前に、ぜひとも、面戸を施工していただきたいと願っています。



瓦と鳥害


 ひと言に鳥害といっても、鳥の種類や状況により様々です。近年の鳥害の原因となる代表的な鳥には、ハト、カラス、ウミネコ(カモメ)、スズメ、ムクドリ、ツバメと6種あります。その中で、瓦と関係のある鳥は雀です。

「瓦 雀の巣 画像」で検索してみてください。瓦の下に雀が巣を作ってしまった画像が沢山見つかります。


 瓦の下に巣をつくる鳥が雀だけなのは、瓦の下に形成される空間が、雀にちょうど良いからです。雀よりも大きなムクドリなどには、瓦の下は狭すぎます。雀よりも小さな鳥は、雀に追い出されてしまうので、雀が入れない小さな穴を好みます。瓦の空間では広すぎるのです。雀は直径3cm、または、2.5cm×4cmほどの隙間があれば入り込んで営巣します。しかも営巣は集団で行います。軒下に営巣された場合、気が付くのに時間がかかることがあり、大きな被害を受ける可能性が高まります。


 駆除するには法的に許可が必要です。個人で許可を取るのはとても大変なので、専門業者に依頼するのが一般的です。駆除の手順は、まず瓦をはがし、巣と卵やヒナを取り除きます。そして綺麗に掃除もしなければなりません。その後に、再び瓦を施工します。これだけの手間がかかりますから、駆除にはかなりの金額が必要となります。


鳥害には、主に

(1)糞による害

(2)鳥に寄生するダニ類の害

(3)病原体による害

があります。



(1)糞害


 洗濯物や車、外に陳列した商品が汚されるといった被害と悪臭による被害があります。また、人間に直接糞が投下されることもあります。糞に直接触れた場合には、病原菌による被害が発生する可能性が高くなりますから、要注意です。糞による二次被害としては、害虫の誘引・発生、ネズミの誘発なども引き起こします。



(2)寄生するダニの被害


 糞から発生する害虫とは別に、雀に寄生しているダニの被害もあります。鳥由来のダニで代表的なものに、トリサシダニやワクモ、スズメサシダニなどが挙げられます。これらのダニは鳥の体や巣に生息し、春から秋にかけて数が増えで増え吸血源を求めて屋内に侵入し人を刺します。イエダニによる皮疹よりも痒みが強く被害が甚大です。エアゾールの噴霧で一時的に退治できますが、巣を取り除かない限り根本的な解決にはなりません。



(3)病原体に関する被害


 近年話題になったウエストナイル熱や鳥インフルエンザにも鳥が関与しているとされています。ウエストナイル熱では、ウイルスを保菌した鳥を吸血した蚊によって人々への感染が広まりました。鳥インフルエンザでは、渡り鳥がウイルスの媒介者となったため世界各地に広まっています。

 鳥インフルエンザウイルスにヒトが感染すると、次のような症状となります。おおむね2〜9日を潜伏期間とし、感染初期には発熱、咳、全身倦怠感、筋肉痛、下痢、嘔吐、腹痛、鼻出血、歯肉出血などを呈します。重症化すると、肺炎や多臓器不全などを起こし、死亡することもあります。



営巣対策


 瓦下の営巣を未然に防ぐには、瓦の軒先を漆喰か面戸で蓋をする施工がもっとも効果的です。瓦の下への鳥やコウモリや昆虫などの侵入を防ぎ、外観も美しく仕上がります。


 漆喰仕上げはとても美しい仕上がりとなります。しかし価格が高く、耐久性に問題があります。施工の環境などの条件や施工者の技術にもよりますが、早い場合で2から3年で瓦用の漆喰は剥がれ落ちます。そのため、こまめなメンテナンスが必要となります。


 当社の軒先面戸は合成樹脂製品ですので、漆喰よりも安価で通気性も確保し、耐久性等にはとても優れています。また施工も簡単で、新築住宅はもとより、既存の住宅の瓦屋根にも取り付けができます。



当社面戸の素材性能


 当社の軒先面戸は、硬質ポリ塩化ビニル(塩ビ)製です。塩ビは、その経済性や耐久性、加工性の良さ、自己消火性、省資源性などから、金属やガラス、木材、天然繊維などに代わる軽くて丈夫なプラスチックとして、近年では世界的に広く一般に普及している重要な素材になっています。



塩ビの特徴


1)耐久性に優れる


 塩ビは、空気中の酸素による酸化反応に対する抵抗力が極めて高く、長年にわたってその性能を保持することができる耐久力を持つプラスチック材料です。

例えば、耐用年数は50年以上といわれる硬質塩ビ管ですが、実際、最長35年間土中に埋設して使用されていたものも、劣化せずに未使用品と同等の強度を示したという実証データもあります。

 塩ビは、このように耐久性に非常に優れているため、長寿命製品の素材に適しているとともに、リサイクル性に優れた素材であることから、さまざまな分野で広く普及しています。



2)薬品や油に強い


 塩ビ樹脂は、耐薬品性に非常に優れており、酸やアルカリをはじめ、ほとんどの無機薬品に対して高い耐薬品性を持ち、有機溶剤にも溶けにくい特徴があります。近年は酸性雨が問題視されていますが、塩ビは全く影響を受けません。



3)機械的強度が変化しにくい


 塩ビは耐食性にかかわる化学的安定性に優れていることに加え、機械的強度も長期間にわたって維持できるという機械的な安定性にも優れた特性を持つプラスチック素材です。



4)引火・着火・延焼しにくい


 塩ビは、引火温度が391℃、着火温度が455℃であり、引火・着火しにくい難燃性材料といえます。

また、燃焼による放熱量が極めて小さく、延焼しにくい性質を持つ自己消火性材料であり、難燃性が要求される住宅用建材などに利用されます。





(placeholder)

いろいろ誤解されている瓦屋根ですが…

新築・改築をお考えの皆様へ

瓦は屋根材の中で最も長い耐用年数を誇ります


瓦屋根は瓦だけでなく空気層でも家を守ります


三十三間堂

瓦と野地板の隙間から鳥が出入りして営巣されてしまうことがあります

可愛いですが、巣を作られると大変なことに…


弊社の鳥よけ(面戸)を取り付けたところ

ガルバリウム鋼板の屋根


ⓒ 日本ルーフ・フロアー株式会社